2014/01/29

Web制作で生活したい人必見!秘密の7ステップワークフローとその他諸々公開

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今日は僕の経験をベースにしようと思います。何を隠そう僕はスタートアップ時、『コピーライター』を名乗っていたのですが、おそらくあのまま「文章だけでやっていくぞ!」という志を貫いていたら今頃はどっかでバイトしながら生活していたかも知れません。

世の中には立派なコピーライターがいっぱい居ますし、文章に特化して上手にマネタイズしていくのも決して不可能ではないと思うのですが、Web業界で頑張っていこうと考えるのであれば決してお勧め出来ません。経験上。それなら早いところ紙に流れてしまった方が楽になれます。

さて、そんな感じで僕が以前お世話になった会社を辞めて独立するまで、二転三転があった訳ですが、たぶんこの情報は「これからWeb業界で独立して一旗揚げてやるわ!」という人には役立ててもらえるんじゃないかと思います。

広告書きにはかなり厳しい時代

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これは間違いないと思われます。僕は自分で言うのもなんですが前職ではコピーライティングチームを束ねるエースだったのでそれなりに自信があったんですね。特に企業のイメージコピーみたいな一行広告じゃなくてセールスコピー的な長めの文章に関しては「どんなもんでも売ってやる!」という意気込みで独立しました。

それに「コピーライター=文章を書く人」というイメージが強いかも知れませんが、セールスコピーを担当するライターにとって「文章を書く事」は業務のほんの一部に過ぎません。

よっぽどの人材豊富な企業じゃない限り市場リサーチ、競合リサーチ、ターゲット選定はコピーライターの仕事として割り振られる事が多く、商品・サービスの売り方も知っておかなければいけませんので、マーケティング戦略の策定にも噛んでいる場合が多々あります。

そうした経験が豊富にあった関係上、自信満々だった訳です。

 

…でも来ないんですよ、仕事が(笑)

 

前の職場は辞める前に「顧客との縁を絶つ事」やら「名刺は全て回収する事」やら「在職中に使っていたソーシャルメディアのアカウントは使わない」やら、様々な制約がありましてその当時の人脈は一切使えない事情がありました(それを察して秘密裏に案件を回してくれたクライアントもいましたが…)。

そうなってくると自ら営業に出るしかないのですが、これがまた世知辛い訳です。

好条件の会社には既に「お抱え」がいるという壁

これが一番厳しい現実でした。「うちには専属のコピーライターがいるから…」というやつです。特に大きめのWeb制作会社になるとかなりの割合でこの断り文句が飛んできて、容赦なく心をへし折ってきます。

実際、僕がそういうWeb制作会社でコピーを書き始めた取っ掛りも「専属のコピーライターはいるんだけど、高齢で書くのがしんどそうだからメインのキャッチコピーはその人に書いてもらって、その下の説明文だけやってもらえる?」という所からのスタートでした。

本当にね。めちゃくちゃキャッチーなコピーを書くおじいちゃんっているんですよ、世の中には(笑)僕の方におじいちゃんの100倍位の文字量を割り振られるのですが、報酬は一桁違うみたいな感じでした(もちろんこちらの方が低いという意味で)。

キャリアがものを言う業界なだけに、仕方のない事とは言えこれは精神的にかなりきつかったです。

どうすれば…?

独立して精神的自由を手に入れたは良いが、絶望的に金銭的自由と時間的自由がない。そんな状況に陥って考えました。と言うよりも、敢えて触れてこなかった部分にメスを入れたという表現が正しいかも知れません。

僕には立派なWebサイトを作るスキルがありませんでした。でもWeb業界で情報発信をする時は必ず何らかの媒体を持つ必要があります。ここに僕という人間の大きな弱みがあったんですね。

一人でコピーライターとして活動していこうと思っていたのですが、急遽提携可能なWebデザイナーを探して手を組もうと考えたのです。すると面白い位すぐ見つかりました。

実はWebデザイナーも悩んでいた.

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その後Webデザイナーから「是非!」という返事をもらい、トントン拍子で小さなWeb制作会社を設立するに至ったのですが、何でこんなに順調に話が進んだのかはめちゃくちゃシンプルだったりします。

コピーライター
できる事=「文章が書ける」「営業が出来る」「プレゼンも望む所」
できない事=「Webサイトを作る事が出来ない」「Webに関して深い知識になるとさっぱり」
Webデザイナー
できる事=「Webサイトが作れる」「サイト構造に関するコンサルも可」
できない事=「文章が苦手」「営業が苦手」

要するにお互いの苦手とする所を補い合う事が出来るという事です。で、お互いの弱点がクリアになったらWeb制作に関する大体のサービスは回せるんですよね。

ちなみにコピーライターとWebデザイナーの出来る事、出来ない事について「極論過ぎるだろ!」と言われそうなので補足です。

もちろんデザインからディレクションまで全部こなせてしまう優秀なWebデザイナーもいるので上の限りではありませんが、そんな事を言っていたらWebデザインの極めたコピーライターもいるだろうしキリがないのでこう書きました。「こういうケースもあるよ」くらいに受け止めて頂ければと思います。

ともかく、そうやって見切り発車の独立プランも何とか一命を取り留めたのでした。

SOHOと制作会社はどちらがいいか?

これも僕の経験から言う事なので完全に主観ですが、もしもWeb制作を仕事にしていこうと思うのであれば、さっさと会社を立ち上げてしまった方がいいです。

今は資金もあまり必要とせず、一人でも株式会社を立ち上げられる世の中ですし、フリーか法人かで顧客層と交渉の内容に大きな違いが出てきます。

やっぱり傾向としてあるのは、SOHOに依頼しようとする顧客は個人が多く、10万円くらいの予算でどう見積もっても数百万円クラスの化物案件が飛んでくる事もありました(もしかしたらクライアントもそれを承知で「受けてもらえればラッキー」みたいな感じで依頼してきたのかも知れません)。

当時は仮に適正報酬額での提示があっても、そういう案件はWeb制作って言うよりシステム開発に近いものがあるので、お断りせざるを得なかったのですが…

その辺、法人化してからは「Web制作とはこういうもの」という事を踏まえたクライアントからの依頼が多くなり、格安案件は一気に減っていきました。

当時のワークフロー

勢い余ってタイトルで「秘密のワークフロー」みたいな事を書きましたが、少し誇大表現気味かも知れません(笑)しかし参考にはして頂けるかなと。Web制作会社としてリスタートを切った僕とデザイナーがどのようなワークフローを組んで案件を回していたのかをちょっと公開してみたいと思います。

1・とにかく営業をする

技術があっても仕事がなければ仕方ありません。まずは名刺を刷ってどこにでも突撃しました。メールはもちろんFAXも使いましたし、本当に最初のうちは足も使って営業活動をしていました。起業1年目はオフライン6:オンライン4くらいの割合で受注を取っていたんじゃないかなと思います。

2・打ち合わせ

「話を聞こうじゃないか」、そんなクライアントに出会ったらウェブサイトのコンセプトとか深堀りする前に、熱意をアピールするのが基本スタイルでした(笑)でもこれは最初の受注から長い事お付き合いを頂いたクライアント様の談ですが、「何でもやってくれそうな雰囲気があったから頼んだ」との事で、熱意もなかなかバカには出来ないものです。

スタートアップ期は実績がネックで蹴られる事も多いですから、本当に「何でもやってやる!」という気合いが重要かも知れません。

3・プレゼンorコンペ

次に打ち合わせで吸い上げた情報を事務所に持ち帰り、最終的な提案の方向性を確定させプレゼン、コンペの為の資料作成を行います。

ちなみにプレゼンとコンペの違いは、

◆  「プレゼン」=発表です。わかりやすく言うとクライアントと1対1です。

◆  「コンペ」=競争です。わかりやすく言うとクライアントは複数の制作会社の提案から最も条件の良い提案をした会社を選びます。

プレゼントとコンペの詳しい違いは話がズレるので割愛しますが、プレゼンターとしてはコンペの方がめちゃくちゃ緊張します。

4・デザイン&原稿執筆

本当なら「原稿⇒デザイン」のステップを踏みたい所ですが、少なくとも僕らの場合そんな時間的ゆとりは皆無だった為、常に同時進行でした。デザイナーとライター&エディター間の阿吽の呼吸が激しく問われる工程です。

5・コーディング

作成した原稿やイメージをHTML化していく作業です。正しくコーディングを行わないとレイアウトが崩れて見た目が悲惨な事になるばかりか、SEOの観点からも減点対象になるという二重の苦しみを味わうハメになります。

6・サイトオープン前のテスティング⇒オープン

サイトをオープンする前のテストを行います。ここで問題があれば修正&再テスト、問題なければいよいよオープンです。

7・運用&保守

オープン後の管理です。細かい修正だったりを継続的に行っていきます。CMS導入後はコンテンツの執筆代行に人気が集中しますが、安請け合いすると酷い目に遭うので要注意!(経験有)

※要注意事項※スケジュールプランニングはしっかり!

ざっくりフローではありますが、これで何とか回せます(少なくとも僕らは…)。ただスケジュールはしっかりラインを引いて各工程の締め日を正確に把握しておかないと、想定外の被りが発生した時泣きながら作業する事になりますので気をつけましょう。

ていうかWeb制作会社に未来はあるの?

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「ITは虚業」というイメージのせいか、Web制作会社は遅かれ早かれビジネスとして立ち行かなくなると踏んでいる人も多いようです。僕としては制作会社のスタンスによるんじゃないかと考えます。

確かに10年前と比べれば、誰でも簡単にサイトを持てるようになってきているし、将来的にはその敷居ももっと下がっていくかも知れません。ヘタをすると「必要事項をご記入後、ワンタッチでプロ級のコーポレートサイトが完成!」なんて時代も来るかも知れません。

そうなった時でもその時代の平均値より1つ2つ上のスキルを保有し、提供していけるかどうかが鍵を握るんじゃないかなと思うのです。それでも、「いやいやWeb制作会社は危ないでしょ…」と思われたとしても、僕はWeb制作の技術があるのなら一つの道として推して良いと考えています。

なぜかと言うと、

顧客の声に耳を傾ける制作会社は、勝手に幅が拡がる

先ほどワークフローの「1~7」をご覧頂きましたが、1~3は精神的にきついです。4~6は肉体的にきついです。しかし7は本当に貴重な体験が出来ますし、実践的な知恵や新たな知識が身につき、未知の可能性が開花するのも多くの場合この工程です。

例えば、「印刷物とかやってない?全部任せたいんだけど」「リスティング広告について相談出来ますか?」など、Web制作の事だけでなく、顧客からたくさんの課題が提出されるからです。

これを、僕達はよほどの無茶ぶりでなければ全て引き受けました。「お任せ頂ければベストを尽くします!」と、ここでも得意技の“熱意”を発揮していた訳です(笑)

そして一旦引き受けたからには「必ず成果を出す」と誓って、一生懸命取り組みました。正直な所を言えば、めちゃくちゃ割に合わない案件もたくさんありましたが、金銭的利益以上にこういう経験から得たものは大きく、多かったです。

僕達が今Web制作ではなくコンサルティングを主軸に活動しているのも、この時の経験があったからこそです。

まとめ

今回の記事が何を言いたかったかと言うと、「独立しても結構何とかなる」という事だったりします。もちろん「辞表を叩きつけちまいな!」的なアグレッシブなメッセージは込めておりませんし、仮にそんな事をしてしまわれても責任は負いかねるのですが…

「これを提供したら色んな人の役に立てると思う」、「これであれば誰にも負けない!」のようなものをお持ちで、かつ今の仕事にやりがいを感じられないという状態であれば、一念発起してみるのもアリかなと個人的には思うのです。

ありきたりな表現ですが、一度きりの人生な訳ですしね。

でも、「今の仕事嫌だな…」、「何か稼げる仕事ないかな?」という動機で独立して、事業を成功させるのは相当しんどい事も覚悟した方が良いです。僕は前職を辞めて独立してから「当時は会社に守られてたんだなぁ~」と痛感しましたし、独立から1年間くらいは家でゆっくり過ごした記憶があまりありません。

はっきり言ってやりがいを感じられなければ続かない仕事だと思います。そしておそらく、これはWeb制作特有のものではなく、お客様商売全般に言える事なのだろうと薄々感じています。

まさに起業は「好きこそ物の上手なれ」。もしもあなたが独立をお考えであれば参考にして頂ければと思います。

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