実録!プロジェクト崩壊|僕がこれまで見てきたビジネスの死の瞬間…
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ちなみに、僕がこれまで関わってきた範囲なので大体中規模のIT系プロジェクトという括りです。
一つのプロジェクトを成功させるのは言うまでもなく、大変な労力が伴います。マーケティングに一切関わった事のない人でもそれは想像がつくと思うんですよ。たくさんの人が関わる企画なんかは、作業よりも打ち合わせの方に時間が取られたり、個々のスキル云々よりも連携ミスから来るダメージの方が大きかったり…まぁそれは置いておいて本題です。
幾つかのプロジェクトに関わっていると、「これはいけるな」と思った案件が想定以上にヒットする現象に巡り合う事が往々にしてあります。しかし、「あぁ…これはヤバいやつだ」と思った案件が、まともに成功するケースはほぼありません。それは売れ行きだけでなく、プロジェクトの進行においてもです。
目次
こんなプロジェクトには関わっちゃダメ!
僕がみてきたかなり低レベルなプロジェクトの失敗事例をご紹介します(もちろん公開しても差し支えない範囲でですが…)。
前もって言っておきますね。信じられないかも知れませんがこれは実話です。ご覧下さい。
事例1・企画担当が初心者
一つの企画が通るまでは、企画立案者が企画書を叩き、企画会議にかけられ~といった経緯を辿るのが普通ですが、この時はそうではありませんでした。理由は企画担当が、その会社の社長のお気に入りだったからです。
「おうおう、やってみろ」というノリで、企画会議を完全スルーしてキックオフに漕ぎ着けた、踏んだら確実に吹き飛ぶ地雷のような企画でした。
しかもその企画はなぜか自己啓発系の怪しげなサービスだったのが印象的でしたね。その会社、全くそういうサービスを取り扱う業種じゃないんですけどね…もちろんプロモーションは鳴かず飛ばずで静かにフェードアウトしていきました。
事例2・「手戻りゼロ」前提で敷かれたスケジュールライン
全ての事が順調に運ぶ前提でリリース日まで確定しているプロジェクトでした。10人規模の小さめのプロジェクトでしたが、お約束のようにスケジュールが破綻してHPにお詫び文を掲載するごく自然な成り行きに…。
また、そのスケジュールありきで広告枠も押さえてしまっていたため、無意味なマイナススタートを切る羽目になり、責任者が降格する事態にまで発展した香ばしい事例の一つです。
事例3・高額商品企画会議にて「ターゲットは全人類」と言い放った代表
「100円傘でも売るんですか?」と、質問したくなる気持ちをグッと押さえてやり過ごした思い出深いプロジェクトです。
言うまでもなく高額商品の売上はターゲティングが成功を大きく左右する要素になりますが、「全人類がターゲット」はすなわち「ターゲティングしない」事と同じ意味です。もちろん高いだけでイマイチ誰に売りたいかわからない謎の商品として存在自体無かった事になりました。
事例4・投資をし続け、ついに回収しなかった会社
これは見方によっては惜しいようで、実際は全然惜しくない絶妙な事例です。「このプロジェクトで金銭的利益を取るつもりはない!会社のブランド力強化の為のプロジェクトだ!」と言い続けて、結局回収しないまま担当を離れた案件がありました。
そして、遂に回収しないまま…という末路を辿ったケースです。
事例5・広報しか動いていなかった…
「こういう商品を売る」と聞かされて、我々は動きました。しかし、肝心の商品開発が外注であり、外注先がフライアウェイしてしまったという残念過ぎる企画です。これはかなり大事になりました。
いや…やっぱり消えていった外注先も悪いと思うんですが、良く知りもしない外注先に会社の命運をかけた商品開発を託すのもどうかと思いますよね…。
事例6・社長の気まぐれによるリミット4日前の大幅仕様変更
「これじゃ売れんな」と社長が端を発した事で、全てが無に帰した縦社会を象徴するような事例です。
しかし、その社長自体、現場を一切知らない人で「リミットは変更なし!」と言ったもんだから大変です。技術者が続々と音信不通になった事でオフィスが阿鼻叫喚の様相を呈しておりました。もちろん成功なんてするはずありません。
事例7・プロジェクト進行中に全く関係ない研修を突っ込む
しかもその研修がなぜか「ビジネスマナー」とかでした。まぁ社員教育は大切なんでしょうけどね…。当然プロジェクトに割ける時間が大幅に削られクオリティの低下を招く事になりました。
「クリエイターにもビジネスマナーを」と考えるのは素晴らしいですし、大変有難くもあるのですが、肝心の業務を圧迫すると元も子もないように思います…優先順位をつけるのは大切ですよね。
事例8・一見、超巨大なメールマーケティング
自社の顧客リストに対してオファーするのですが、その顧客リストの8割が業者から購入したものだった、という失敗確定マーケティングを経験した事があります。
しかもリストを購入していた事は、上層部だけの秘密事項だった為、それを知らないマーケッターがどんどんメールマーケティングを主軸にした提案を上げていき、遂に収まりがつかなくなった為、失敗するのが当たり前のプロジェクトに踏み切らざるを得なくなりました。やっぱり、社員に後ろめたい秘密は抱えるべきじゃないですね…
まとめ
いかがでしたか?
おそらくあなたの知っているちゃんとした会社の、ちゃんとしたプロジェクトとは全然違う内容だった事かと思います。こういった経験をしているからこそ、ちゃんと仕事を選ぶようになったし、コンサルティングまで業務領域を拡げようと考えました。
ただ、「良い勉強になった」とまでは言えないですね(苦笑)
外部の位置づけでプロジェクトに関わる時はこの記事を思い出し、少しでも類似する要素を感じたら回避する事をお勧めします(笑)